明日は知多にいます。

 まずは一日飛ばしで謎の物語から。

問６：死の光

【真相偏】
「さて、今日でついに当社も１００周年を迎えました！
それでは、これからも頑張っていきましょう！
乾杯！！」

歓声が上がった。

ここはとあるパーティ会場。
ある会社が１００周年を迎えたということで記念会を行っているらしい。
この会社はここ数十年の間に急成長し、いまやこの国を代表する企業にまで
登りつめていた。

しかし、この会社には辛い過去があった。

２０年前、商品を安値で売らないとこれ以上の儲けは期待できないという
報告が入った。
それまでぎりぎり黒字で抑えていたこの会社は遂に
人材の削減という最終手段を使わざるを得ない状況になった。

それから約５年にわたって大量の人が会社を解雇された。
しかし、１０年もしないうちにその効果あってか、会社の売り上げは
息を吹き返し、今に至る。

男はそのときに会社を辞めさせられた。

その後は、あてもなく歩き、ようやくこの海岸の灯台にたどり着いた。
なかには老人が一人ぽつんと安楽椅子に腰掛けているだけあった。

男は老人に自分の身に起きたことを話した。

すると、老人は優しく微笑んでこういった。

「そうか。可愛そうにな。
ここには金もあまりないし、快適なベッドはない。
しかし、心配せんでいい。
わしが面倒を見てやろう。

ただし、ひとつだけ条件がある。
この灯台の番をこれから毎日してくれないか？
それだけしてくれればあとはわしが全てするから。」

男は条件を呑んだ。

実際に男は灯台の番をするだけでよかった。
生活は全て老人がまかなってくれ、苦労もなく、幸せな日々を送った。

しかし、その幸せは長くは続かなかった。

男が会社を辞めてから５年後のある日、
老人が急に床に倒れた。
救急車を呼ぼうにもここは辺境の地。

男は必死になって応急措置をとったが、
その皆無く、老人はまもなく亡くなった。
いままで隠していたが彼は心臓病だったのだ。
最近になって急に悪化し、死にいたったという。

老人がなくなってから、男は灯台だけでなく町にも
買い物に行かなくてはならなくなった。
しかし、働いていないので当然のように金はない。
食事も貧相なものしか食べられず、辛い日々を送っていた。

そんなある日、男は町の新聞でこんなものを目にした。

「K社、社員に豪華客船の旅！」

それはかつて男が勤めていた会社が

１００周年を記念して、２５０人限定で
社員に豪華客船での旅をプレゼントするというものだった。

そこには応募期限、募集要項、出発日などが明記されていた。

そこから男の復習計画は始まった。



さて、分かったでしょうか？？

ヒントは題名にもなっている「光」ですよ。

それでは解答いきましょう。

【解答】
男が新聞記事の中で特に気にしたのは、
船の航路と各地の到着予定日だった。

なんとその船の立ち寄り場所のひとつに、この町があったのである。
しかも到着予定時刻は夜の１１時。

男はその船の到着日に遺書を書き、
灯台の明かりを消して灯台を去っていったのである。

当時（２０世紀）はまだ灯台の光を利用していたので、
光がなくなったことにより何も出来なくなり、近くの岩場に激突。

そのまま海の底へ沈んでいったのであった。

当然、これらはすべて男の復習計画で
しっかりと計算済みであった。

そして、この世に未練のなくなった男は
そのままこの世を去っていったのであった。


いかがだったでしょう。

あきだけが正解でした。

なかなか難しかったでしょう。

この前の問題がちょっと簡単だったので難しくしてみました。

ポイントは「死の光」と建物＝灯台に気づくかですね。


そうそう、僕は明日から２日間、愛知に行ってますので、
コメントの返信は遅れるかもしれません。

あと、別館の更新もちょっと止まりますので宜しくです。

それではまた今度。